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■将来の進路

卒業生インタビュー

小田慶喜さん(野口研究所)
私は、高校時代殆ど化学の授業を受けたことがなく、選択科目では物理を受講しました。しかし、高校3年生の夏、将来自分が何をやりたいか考えたところ、漠然と「環境問題に取り組める仕事をしたい」と考えるようになりました。それには物理だけの知識では足りず、化学を学ぶべきであると高校の恩師に教えられました。そこで、私は工芸大学の工業化学科(21年度より生命環境化学科)を物理で受験しました。しかし、大学での専攻は「化学」になるのに私は化学を知らないという不安感がありました。でも、授業が始まるとそんな不安は吹っ飛び、あっという間に化学に少しずつ馴染み始めました。当時、私は何かと好奇心を抱いており、一つでも多く化学の知識を吸収したいと思っていました。今思うとその無知な自分の好奇心が、今の私を作り上げているのだと思っています。きっかけはどうであれ、そのような訳で、化学に興味を持った私は現在、財団法人野口研究所で「糖」の合成研究や、機能性(どのように世の中で役立つのか)の開発研究に携わる研究員をやっています。高橋圭子教授の研究室を卒業した今でも、研究室とは交流があり、教授や学生と研究について議論したりしています。

私は、工芸大学で初めて「化学」を知り、「化学の魅力」を教わりました。好奇心を持って化学に接することで、「自然の仕組み」を知ることが出来る。こんな思いが出来るのは「化学」の特権だと思います。これから化学を学ぶ学生さんにも、是非好奇心を抱きながら「化学」に接して貰いたいと思います。
匿名さん
私の仕事は、高級チョコレートの品質管理。私たちの行う様々な検査を通過したものだけが商品として市場に出されるため、責任は重大です。人が口にするものを扱う上で、絶対にミスは許されません。今私は、学生時代からの強い希望専門職に携われていますが、喜びに浸る暇はありません。つねに張りつめた空気の中、とにかくミスなく仕事をすることで精一杯。しかし、多くの消費者の皆さんに、安全で美味しいものを味わっていただくために、品質管理という仕事に誇りを持って続けていきたいと思っています。
清 悦久さん(徳島文理大学薬学部助手)
大学の化学の面白さ
現在私は縁あって徳島文理大学香川薬学部中央機器室で仕事をしています。その中で私は分析機器の管理と質量分析装置(MS)、核磁気共鳴装置(NMR)などを使った実験をしています。大学時代、工業化学科(現生命環境化学科)の有機第一研究室(服部研究室)に所属し、そこで高橋圭子先生にNMRを教わったのが今の私の仕事につながっています。工芸大を卒業してからはや15年が過ぎ、当時の高橋圭子先生と同じくらいの年代になりましたが、人に物を教える(伝える)難しさに痛感しています。

当大学も工芸大と同様オープンキャンパスを開き、高校生やそのご両親に大学に触れていただく機会を設けています。そんな中、中央機器室の見学に来ていただいた学生に薬学における分析機器の必要性の話をしますが、表情を見る限り伝わってないのかなと思うことが多くあります。これは高校までの化学は基礎がほとんどのため、薬がなぜ効くのか?ということのイメージがわかないようです。(その前に私の説明が良くないと考えるべきですが…)しかし化学の難しさは化学に触れることで解消されます。大学は最先端の化学に触れることが出来る場であり、その深さを知ることができます。もちろんこれは様々な分野にも言える事です。大学の化学は面白いし、やらなければいけないことがたくさんあります。ナノの世界で起きている現象を観察し、制御して、新しいものを作り上げる。そんな神様みたいなことが出来る大学の化学を在学生には大いに楽しんでもらいたいと思います。
田中宏幸さん(大正製薬株式会社 大宮工場勤務 管材部・管理グループ主任)
マニュアルに縛られているだけじゃ、個性は育たない
 「大学時代は大変でしたね。大宮から通学していたので片道3時間。それが毎日(笑)。そして就職活動ではバブルが崩壊して急にシビアになった時代でした。バブル時代の先輩達の話を聞いても、あまりに状況が違うので、まったく参考にならない(笑)。そんな大学時代を経験したおかげで、今では何でもできるって思えるようになりました(笑)」そう語る田中さんの笑顔は明るい。

そんな試練を力に変える精神の持ち主は、大手医薬品メーカーである大正製薬株式会社に入社。今年で15年目、現在は原材料の管理などを手掛けている。「仕事には悩みはつきものです。でも大正製薬は大きな会社ですから、全国のどこに行っても自分の扱っている商品を目にすることができます。そんな時『ああ俺は全国規模の仕事が出来ているんだな』と実感できます。その気持ちが仕事へのやりがいや喜びになっています。そう考えれば仕事が苦になることはありません」と前向きだ。大学時代も大変ではあったが、楽しかったと言う。「服部憲治郎先生には本当にお世話になりました。私自身はあまり出来の良い学生ではなかったですが、先生を中心に研究仲間と団結していました。今でも時々、在学時の仲間と集まって酒を呑みながら当時の話をしています。楽しい思い出です」と語ってくれた。

そして田中さんは後輩達に、就職活動に対するアドバイスを贈ってくれた。「私が就職活動をしていた際に、周りの人達から言われた言葉は『人と違っている』でした。それはきっと私が面接のマニュアル本に興味がなかったからでしょうね。私はあまりマニュアルにとらわれて生きるのは好きではありません。マニュアルに頼ることによってその人個人の魅力が潰されてしまうかもしれませんから。もちろん言葉遣いやマナーをきちんとすることは大前提ですが、自分の個性を確立したいと思っているのなら、なおさら言えることではないでしょうか」。基本は自分で考え自分で工夫する。田中さんの言葉はマニュアルが氾濫し、それに頼りすぎている現代、すべての人に受け止められるメッセージに聞こえた。
吉田勇喜さん(関東化学(株))
今でも交流のある仲間や先生方との出会いが財産。
関東化学は化学試薬の他に半導体やフラットパネルディスプレイの製造工程に使用される様々な電子工業用薬品の製造、供給を行っており、私は電子工業用薬品の製品設計、検討業務や開発業務に携わっています。大学での講義や実験は今の自分のスキルに大きく関わっていますし、大学時代に出逢えた先生や仲間には今でも仕事の相談をさせていただくこともあり、自分にはこうした頼もしい後ろ盾があるものと感じています。
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